好きなバンドの解散/活動休止/メンバーの脱退/加入に関して、「裏切られた」と感じることはあんまりない。あんまりっていうか、ないなあ・・・。

この種の決断って、当たり前だけど、とても大変なことだと思う。それでも、バンドが決めたことなのだから。それは「裏切り」ではなくて、「誠意」だと思う。バンドマンの、自身の音楽活動に関する「誠意」であり、聴いてくれるリスナーに対する「誠意」だと思う。もちろん、作り手側に、自身の気持ちに嘘をついて、無理やり発信し続けるようなことはしてほしくないですしね。

ただ、その「誠意」を受け入れるのか、受け入れないのか、という部分はある。私の場合、受け入れられなかったのが椿屋。安高さん加入のタイミングで、ぱたりと聴かなくなってしまった。バンドの意志と自分の気持ちがどんどん離れていくのがわかった。すごく悲しかったけれど、でも、憎らしく感じるようなことはなかった。上手く割り切れるわけじゃないけれど、しょうがないもの。音楽って脆い。「裏切られた」ではなくて、諦めに近い感覚でした。

ステファブから和田さんが抜けたときは、本当に辛かった。悔しかった。最後のライブのとき、会場を出た途端に号泣。涙が一気にダーって(苦笑)でも、(気持ち悪い言い方だけど)、和田さんの今後の生活がいいものになってほしいと思ったし、これまでに残してくれたたくさんの音源、大切に聴き続けたいと強く思った。もちろん、和田さんのいないステファブも見に行った。私の望む音とは言えないけれど、それでもステファブの音楽にしがみついていたかった。不満に思う部分はあっても、「裏切られた」とは思えなかったなあ。私は私で、ものすごくステファブのことが大好きで、ステファブのこと真剣に考えていた。でも、江口さんは誰よりもステファブのことを愛していただろうし、真剣に考えていたと思う。

友人が、某バンドのメンバー脱退について、裏切られた気持ちになったし、CDだって投げてしまいたくなったというようなことを言っていた。状況によりけりな部分もあるけれど、それを聞いてひどく悲しい気持ちになった。好き過ぎて「裏切られた」と感じる気持ちがまったくわからないわけではないけれど、うーん。

果たしてそれは本当に「裏切り」なのか。

ここまで書いて、自分自身がひどく薄情な人のように思えた(苦笑)そんなことはないです。