優柔不断な男は嫌いです。でも星は4つあげちゃいます。

ナラタージュ

ナラタージュ

壊れるまでに張りつめた気持ち。そらすこともできない二十歳の恋
大学二年の春、片思いし続けていた葉山先生から電話がかかってくる。泉はときめくと同時に、卒業前に打ち明けられた先生の過去の秘密を思い出す。今、最も注目を集めている野間文芸新人賞作家・初の書き下ろし長編。

★★★★☆

著者の島本理生さんは1985年生まれと随分とお若い方なんですね。吃驚。


なかなかおもしろかったですよー。

こういう文体、案外好きな方かも。優しい、柔らかいっていうのよりも、静かで、温度が低めなこの感じ。物語自体、決して起伏の激しいものではないのだけど、テンポ良く読むことができました。

それに加え、生徒と先生っていう設定がもうね。笑。『ツ、イ、ラ、ク』といい『ナラタージュ』といい、自分はこの手の恋愛モノに走る傾向が強いらしいです、ええ。苦笑。

ただ、登場人物に共感が持てるか持てないかっていう部分は結構大きくて。今回の場合、葉山先生がちょっとね・・・。嫌いではないけれどちょっと。私には理解しきれない、納得できない部分があった。彼の優柔不断さが許せなかった。星は4つの理由はすべて彼にあります。笑。

以下ネタバレ含みます。

  • 葉山先生が奥さんのところに戻る理由がわからない。
  • 柚子ちゃんを死なせる必要は本当にあったのだろうか。
  • 泉と葉山先生のセックス描写が、というよりそのシーンの2人の会話がなんだかしっくりこず。
  • でも、泉と葉山の別れのシーンが素敵だったから許す。何度も読み返してますこのシーン。本当に素敵。